設備の買い換えはどうするか?

資金の問題はどう考える?

資金の捻出について

さきほど補助金の例を紹介しましたが、機械の買い換えに使う資金の問題は重要ですよね。精密機器には高価なものも多いので、適切なやり方とタイミングで投資を行うことが重要です。

自社の設備投資が適切かを図る一つの指標として、「営業キャッシュフロー対設備投資比率」というものがあります。営業キャッシュフローとは、商品の販売や経費支払いなど企業の主要な営業活動から生じる現金収支のことです。営業キャッシュフロー対設備投資比率は、営業キャッシュフローでどれくらい設備投資をまかなえているかを図る指標で、100パーセントが好ましいとされます。

つまり、企業の本業により発生する営業キャッシュフローの枠内で設備投資を行えていれば、その投資は安全性が高いといえます。それに対し、たとえば借入金によって設備投資費を調達した場合には、計画通りの成果が得られない場合などに、大きな負担となってくるリスクがあるといえます。

銀行から融資を受ける場合

設備投資を行う場合には、銀行の融資を受けるかたちで資金を調達する方法もあります。こうした場合に注意すべきこととしては、しっかりとした設備投資計画を作成し、書面として銀行に提出することが挙げられます。

計画書には、設備投資の内容やスケジュールから、投資の理由、投資によって見通せる効果などを書く必要があります。また投資資金を回収し、銀行からの融資を何年で返済できるかという数値目標も示す必要があります。こうした点がしっかりしていないと、融資を断われてしまうリスクが格段に高まると思われます。

設備投資に関してしっかりとした計画を立て、どれくらいの期間で回収できるかという見通しを立てることの大切さは、銀行の融資を利用する場合でも、補助金や自社資金を活用する場合でも同様です。事業者の方々にはぜひ、きちんとした見取り図を描いて、機械の買い換えを事業の発展に役立ててほしいと思います。